Abstract
本章では、日本ブームと韓国ブームを、流通、生産、消費といった面から、比較分析していきたい。ここでは、まず、アジアの「韓流」現象の広がりを概観していく。そして、テクスト分析を用いて、日本ドラマと韓国ドラマの視覚的意味や文化的意味を比較する。また、中国、台湾、香港における韓国ドラマの受容や消費の類似点、相違点を詳しく検証し、こうした地域で韓国ドラマが流通に成功した理由として安易に文化の近似性という概念をあげることを問題にしたい。
ここでは、主に、中国、香港、台湾の大学生 (男女を含む)に焦点を当て、彼らの韓国ドラマの受容の仕方を見ていく。こうした視聴者の比較研究が、アジア地域のメディアのゲローバル性の力学を複雑にしている政治的、経済的、文化的環境における、テレビと視聴者の解明に役立つことを期待したい。
Original language | Japanese |
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Title of host publication | 日式韓流:「冬のソナタ」と日韓大衆文化の現在 |
Pages | 266-299 |
Number of pages | 34 |
Publication status | Published - 1 Jan 2004 |