教育におけるエビデンス(科学的根拠)を考える : どこから来て,どこへ行くのか

Translated title of the contribution: Rethinking Evidence-Based Education: From Where to Where?

荒木啓史

Research output: Journal PublicationsJournal Article (refereed)peer-review

Abstract

教育分野では,長年にわたってエビデンス(科学的根拠)に基づかない施策や実践が展開されてきた。しかし昨今,「エビデンスに基づく教育(EBE)」の考え方が広がりつつあり,とりわけ精緻な因果推論を可能とするランダム化比較試験(RCT)を通じて意思決定を行うことの重要性が各所で指摘されている。このエビデンス重視の流れは歓迎すべきだが,同時にRCTは必ずしも完璧ではないことに留意する必要がある。例えば,RCTは何らかの介入により期待される効果の有無・程度を高い精度で明らかにできるが,それに伴う副作用はあらかじめ調査デザインの中で想定しない限り検証できない。また,仮に介入効果が見られた場合でも,「なぜ,どうして」そのような結果になったのかRCTだけでは十分に説明できない。そのため,実際にEBEを推進する上では,特定の手法に依存し過ぎず,定性的な情報も含めて多様なエビデンスを複合的に活用しながら施策や実践を具体化することが求められる。
Translated title of the contributionRethinking Evidence-Based Education: From Where to Where?
Original languageJapanese
Pages (from-to)6-13
Journal日本学校歯科医会会誌
Volume128
Publication statusPublished - 30 Sept 2020

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